どの音源を聴いてもはずれがない、と定説をもつ魅惑の声。パウリーニョ・ダ・ヴィオラ、自身のドキュメンタリー映画のサウンドトラックとなっている。
その魅惑的で甘美、包み込むように柔らかな唯一無比のお声とナイロン弦の豊かな倍音を生かしたヴィオラォンが奏でるジェントルなサンバのバチーダ。初恋のあの娘との遊歩道を思い出すほどフワフワした高揚感を与えてくれる自作の美しい旋律とリズム。彼の曲を唄うことによって魅力を発見したMPB人脈をはじめ、今作にも参加している父のセーザル・ファリア(エポカ・ヂ・オウロのメンバー)周辺のショーロ勢、そしてボサのファンにも広く受け入れられてきた。'03年リリースされたサラヴァのDVDでランチ中にマリア・ベターニアの後ろで凄く良い感じのヴィオラォンを弾いてましたね。
パウリーニョ・ダ・ヴィオラの同名自伝映画のブラジルでの上映に併せリリースされた本盤は、このコンセプトを見事に言い当てているウィルソン・バチスタ作の”今が私の全て”から始まり、エルトン・メデイロスとの連名でリリースされた'68 年の名盤“夜明けのサンバ”に収録され、その後ナラ・レオンもカヴァーした“14 才” 。モダンでインテリジェントな詩とサンバを融合させた“シナウ・フェシャード” などのセルフ・カヴァーを新たに録音。パウリーニョ作“孤独のダンス”での歌唱で相性の良さをみせてくれたマリーザ・モンチがピシンギーニャ作の“カリニョーゾ”に参加。かつての盟友エルトン・メデイロスはカルトーラとの共作サンバのメドレーM-2に参加、2人で楽しく語り合うように息のあったところを聴かせてくれる。実力、人気ともに最上級のサンビスタ、ゼカ・パゴヂーニョやヴェーリャ・グアルダ・ダ・ポルテーラ、ショーロやサンバをバック・グラウンドに持つ女性シンガー、アメーリア・ハベーロとのデュエットをカヴァキーニョの陽光差し込むような音色と共に収録。
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DE PAULO DA PORTELA A PAULINHO DA VIOLA
FOI UM RIO QUE PASSOU EM MINHA VIDA
12. CONFLITO
13. RETIRO
14. COISAS DO MUNDO, MINHA NEGA
15. UM SARAU PARA RAPHAEL
16. ARGUMENTO
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