澄み渡った歌声と親密なアコースティック・トーン、ブリティッシュ・フォークとボサ・ノヴァの柔らかな手触りを纏った女性S.S.W.
イギリス人の父とブラジル人の母の間に生まれ、英国の田園地帯サウス・ノーフォークで育った25歳の女性シンガー・ソングライター初作。TikTokでバズったのをきっかけに、名門Verveと契約。EPを経て、初のフル・アルバムとして発表されたのが本作。ブラジルのS.S.W.チン・ベルナルデス(O Terno)がゲスト参加したm-10"Butterflies"の一部を除いて、全編英語歌詞となっています。そのため普段はブラジル音楽を聞かないジャズ・ヴォーカル・リスナーはもとより、リアナがヴァシュテイ・バニヤンをフェイヴァリットに挙げていることからも、「クワイエット・コーナー」にも通じるハンドメイド・タッチながら、上質な雰囲気の音楽が好きな方、そして洗練されたMPBがお好きなブラジル音楽ファンまで、広く受け入れられる可能性を持った作品です。リアナ本人と共同プロデュースに立つのはデヴェンドラ・バンハートの右腕としても知られるノア・ジョージソン。坂本龍一との共演も知られるブラジル人チェロ奏者ジャキス・モレレウンバウンも参加し、agに弦楽、木目の温もりにボサ・ノヴァのバチーダ、そこに載る郊外の日常風景を切り取った柔らかな声。心を穏やかにしてくれる上質な一枚。