サンバ・ジャズ・トリオ、最高峰の頂きに君臨したグループの1st。先進的な快速サンバ・ジャズで鮮烈な印象を与えた名盤が重量盤でリイシュー!【Rocinante/Tres Selos】
近年、「サンバランソ」「小瓶横丁」といったキーワードとともに、1960年代ブラジルのインスト・サンバ・ジャズが改めて注目を集めています。その中心に位置する名盤が、このジンボ・トリオのデビュー作です。
様々な歌手やプレイヤーのサイドマンとして実績を積んでいた、アミルトン・ゴドイ(p)、ルイス・シャヴィス(b)、フビーニョ・バルゾッティ(drs)が、バーのBGMとして消費される音楽ではなく、真剣に耳を傾けるべきブラジル・インストゥルメンタルを目指して結成されたのがジンボ・トリオでした。
ゴドイ兄弟のアヂウソンが書いた"Zimbo Samba"に始まり、ルイス・ボンファが妻のマリア・トレドと書いたボサ・ノヴァ"Menina Flor"、そして大胆にアグレッシヴさを増した"イパネマの娘"など鮮やかに高速なサンバ・ジャズの数々。逆にバーデン・パウエル作の"ビリンバウ"では、アルコ弾きや転調という押し引きの美学を見せています。
B面に回るとサンビスタ、ゼー・ケチ作でナラ・レオンも歌った"Diz Que Fui Por Ai"を、ピアノとコントラバスのオブリガート、テンポ・チェンジで洗練された楽曲として聴かせてしまう技が見られ、ジョビン作品"Vivo Sonhando"を単なる美しいボサ・ノヴァではなく、強烈なユニゾンの応酬によってドラマティックな器楽作品へと昇華しています。ルイス・シャヴィス作の"O Norte"は北東部リズムをドラム・キットに置き換えたフレーズをイントロやソロに用いたりと、当時同時進行のブラジル音楽の新しい表情を描いた、意欲的で画期的な大傑作と断言します。
その後もジンボ・トリオとして、翌年のエリス・レジーナ&ジャイール・ロドリゲスとのフィーノ・ダ・ボッサを始め、このオリジナル・メンバーで2000年代まで活動、音楽養成所CLAMの創立、ブラジルのジャズ史にその名をしかと刻みます。
オリジナル盤の象徴でもあったジャケットのくり抜き加工も忠実に再現。作品そのものだけでなく、当時の空気感まで味わえる嬉しいリイシューとなっています。