ドゥルヴァル・フェヘイラのソロ作など傑作を多く輩出するMills Recordsから2007年にリリースされた、ギター奏者ウィリアンス・ペレイラによるインストゥルメンタル作品。冒頭曲"Valsa Para Joatan"のマウリシオ・アインホルンによるハーモニカや、"Mineira"のフルートなどを除き、基本はギターを中心とした演奏ですが、収録曲を見るとショパンの"Prelúdio Nº 4"、プッチーニの"O Mio Babbino Caro"、ヴィラ=ロボスの"O Trenzinho do Caipira"、ルイス・ゴンザーガの"Juazeiro"など、ブラジル音楽だけに限定されない選曲が興味深い一枚です。なお、リオ出身のウィリアンス・ペレイラは2007年に亡くなっており、本作は最晩年のアルバムとなります。
さらにジャケット内部には、ギターの表板裏面のブレーシングや、ブリッジを削る工程と思しき写真まで掲載されていて、単にギターで曲を演奏するという以上に、楽器そのものの木の鳴り、響きに意識を向けた作品なのではないかと思わせます。
そして、収録曲のm-5"Juazeiro"とm-9"Domingo De Manhã"では、後にカート・ローゼンウィンケルのカイピ・バンドで知られることになるペドロ・マルチンスが鉄弦ギターで参加("Cenas"と"Domingo De Manhã"はウィリアンスとペドロの共作)。
一音一音の置き方、和音の響かせ方、旋律の歌わせ方に非常に繊細な神経が行き届いた本作、ブラジル・ギターのより深みを知れるおすすめの一枚です。